精肉の1日の流れがわかったところで、後編は、精肉で使う機械やお仕事の広がりについてお伝えします。
使用する機械は2つ。ミートスライサーとミートチョッパーです。豚肉の加工では、こま切れや切り落とし、生姜焼き用、薄切りなど、包丁では切ることができない薄さの肉を加工する時にスライサーを使います。精肉のお仕事は、経験とともに鶏→豚→牛という順に扱う肉が変わり、レベルアップしていきます。価格の高い牛肉をスライサーで扱うことができるようになれば、経験者としてみなされます。チョッパーは挽肉を作る時に使うもので、肉を機械に入れて取り出すだけです。
精肉ではハムやソーセージなどの加工品も扱っています。店舗によっては卵も精肉部門の取り扱いになります。これらの商品は品出しをするだけですが、卵は割らないように注意をしながら、ハムなどは賞味期限を見ながら、古いものを前出しし綺麗に品出ししていきます。対面販売の場合は、ショーケースに入っている商品を量り渡します。店によっては会計も。そのほか、「2パックで¥1,000」などセールのPOPを作る場合もあります。
個人差はありますが、スライサーを扱い始めるのは入社して3ヵ月くらい経ってからです。スピード調整ができるので、最初はゆっくりから始めて、約3ヵ月で最速のスピードを習得できます。刃が付いているので危ないことには違いがありませんが、ガードや安全作動装置が付いているので商品を作っている時にケガをする人はほぼいません。不器用な人でもできる仕事です。スライサーの組み立てや掃除は、社員やベテランのスタッフが行なうことが多いですが、刃がむき出しになっているので組み立て時は注意が必要です。
どの仕事でもそうですが、精肉のお仕事も時間とともに幅が広がっていきます。おおよその順番は、パック詰め・値付け・品出し→スライサー・手切りを含めた加工→発注・マネージメント・売場の管理などです。
精肉のお仕事をしていると、自然と肉全般の知識がついてきます。普段、焼肉店に行った時に、ハチノスやミノなどの珍しい部位の味や調理法などを家族や友人に語れますし、技術職としての将来性もあります。先に書いたように、牛肉をミートスライサーで扱えるようになれば、つぶしがきき就職活動も有利に進むでしょう。また、例えば牛肉の花盛り(薄切り肉を花のように、ぐるっと盛る)や鶏肉のチューリップなどは、こだわればこだわるだけ綺麗に作ることも可能で、丁寧に作った商品が売れた時は、やりがいを感じることができるはずです。
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